元マニラ住人の青年のブログ

頭良くないし機転も利かない。でも夢の大きさは誰にも負けない。

"飽きさせない"自分作りとは何だろう - 村上隆『芸術闘争論』

Takashi Murakami "Takashi Murakami Paints Self-Portraits"

芸術家・村上隆さんの著作『芸術闘争論』を読んだのですが、芸術家・作家になる上でどのようなことが必要なのかというのかを語られている中で気になった箇所があったので引用。


新しく売り出すアーティストが念頭に置くべきなのはイメージをマルチプル化していくことです。折角ネットワークにアクセスしているのに、なぜかひとつのところに集中していると、方向性が、どんどん、イメージを貧しくして尻すぼみにさせてしまう。これを俗にスランプというと思います。

ここでは芸術家がいかに自分を売り込んでいくかについて述べられていますが、これは芸術に関わっていない人にも言えることかもしれません。つまりひとつの固定的な印象よりも様々な側面を持ち合わせていることをどんどん売り込んでいくべきなのです。

「〜が得意です」「〜の大会ではいつも上位にランクインしています」も勿論立派な個性だとは思いますが、「その一方で趣味は〜で、それは幼い頃から続けています。なぜかというと〜」のように続けると話題は広がりますし、よりその人となりが出てくるのだと思います。

人間とは画一的な動物ではありませんから、当然大会で優勝するだけがその人のidentityではないはずです。自分が他人とどう違うのかを知るためには、まず自分以外の人にとって何が普通で何が普通でないのかを見極め知っておくことも必要です。

昔、来日したロックミュージシャンがホテルに宿泊すると必ずホテルを壊すというパフォーマンスをやってましたよね。そうすることで違うストーリーを作ってたんです。レッド・ツェッペリンでもディープ・パープルでも仕事としてテレビを窓から投げたとか部屋を交わしたりとかしていました。それは、そうしないと話題がマルチプルになっていかなかったからです。アーティストも基本的には同じで話題をマルチプルにすべきなのです。

勿論、ホテルを壊すことが「もうひとつのロックミュージシャンの技だ」と言うつもりはありませんが、このように印象の多様化はとても重要なことだと思います。つまり見ている人を飽きさせない、「こんなこともできるのか」と舌を巻かせる。これが一緒にいて「飽きない」人のしていることなのだと思います。

落ち着いていていつも同じ事を着実に行う人も勿論歓迎されますが、もしその仕事が終わったらどうでしょうか?その次の段階に移る時に注目されるのは多芸な人でしょう。「あいつなら今回も変わったことをするかもしれない」「上手くないとしても驚かせてくれるだろう」と何かしらの期待をされるわけです。

これが本当に魅力的な人がしていることなのではないでしょうか?意外性のある行動、印象の多様化こそが魅力を作る根幹なのです。