TIME before 55

頭良くないし機転も利かない。でも夢の大きさは誰にも負けない。

#TPP はなぜアブナいのか (1) ~「平成の開国」のウソ~

Earth Day.

政権交代を受け、自民党公明党による連立政権が日本を治めることが決定しました。そして早速、2党はTPPについても交渉の是非判断が始まろうとしています。元々自民党は「反対」を表明していましたが、与党になり早速政権公約を翻し始めました。

自民党はTPPに関し、政権公約で「聖域なき関税撤廃を前提にする限り、交渉参加に反対」と主張。TPPに反対する農業団体などに配慮し、衆院選で農業票の取り込みをはかった。公明党も「国会に調査会や特別委員会を設置し、審議できる環境を作る」と早期の交渉参加に慎重な姿勢を示していた。だが、合意文案ではFTA(自由貿易協定)やEPA(経済連携協定)推進を打ち出すとともに、TPPについても政権として関係国との協議を踏まえ、交渉参加の是非を判断していく姿勢を示した。

>>朝日新聞 "自公、TPP交渉に含み 連立案、原発憲法踏み込まず"  http://www.asahi.com/politics/update/1224/TKY201212230768.html

日本のマスメディアはTPP参加の意義を横並びに唱え、ひたすら「世界に乗り遅れるな」と論陣を張ってきましたが、それに異を唱える人々も多くいるのは事実です。では「平成の開国」と呼ばれるTPPに反対する人々が多くいるのは何故でしょうか?

TPP反対を唱える『TPP亡国論 』の著者である中野剛志氏(元経産省構造課課長補佐、現京大大学院高額研究科助教)の主張をここで紐解いてみようと思います。

そもそもTPPとは何なのか。ここで簡単に説明しておきましょう。これはTrans-Pacific Partnershipの略で、日本語では「環太平洋戦略的経済連携協定」といいます。

加盟国間での関税障壁を例外抜きで(聖域なしで)撤廃し自由貿易を促進しようというものです。モノの流れを妨げる関税を撤廃することで、これまで以上に完全な自由貿易を実現しようとするものです。

現在、シンガポール、マレーシア、ベトナムブルネイ、チリ、ペルー、ニュージーランド、オーストラリア、カナダ、メキシコ、アメリカが加盟交渉国(参加予定国)になっています。

彼によると、そもそもTPPの代名詞である「平成の開国」は嘘であるといいます。日本の関税率はトータルで見て欧米・韓国よりも低く、決して保護主義に走って「鎖国」をしているわけではないのです。「鎖国」というのはつまり、関税を高くつけることで外国産の商品の輸入を制限し、自国内での内需開発をしようとする動きの事を指しています。

元々保護主義を行っているかどうかというのは、物品を輸入する際に掛けられる関税率で見ますから、関税率が諸外国に比べて低い日本は決して保護主義を行っている訳ではなく、もちろん「鎖国」をしているわけではないのです。

そもそもこのTPP交渉というのは、日本の外交能力の批判を受けて、2010年11月のAPEC横浜会合で「平成の開国」として宣言されたもので、日本で初めに開かれた横浜と重ね合わせて表明されたものだといいます。(私自身、外交への批判を交わすためにTPPに乗り出そうとしたというのは論拠としてどうなのかと疑問はありますが・・・)

では日本の交渉参加の経緯は終わりにして、中身に入って行きましょう。冒頭で述べたように、TPPは完全にどの物品にも関税を掛けずに、自由貿易をより促進していこうとするものですが、これは必ずしも良いとは限らないのです。

(2)ではTPPがもたらす物価の下落と農業・日本経済全体の破壊について書いて行きます。

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