TIME before 55

頭良くないし機転も利かない。でも夢の大きさは誰にも負けない。

#TPP はなぜアブナいのか (2) ~デフレの進行, 農業の破壊~

Money cash

前回の記事(1) ~「平成の開国」のウソ~ では、政府がいかに功名に国民を欺いてきたかを明らかにしましたが、ここではTPPがもたらすデフレと農業の破壊について考えて行こうと思います。

日本がTPPに加盟することで、起こることは日本経済への大ダメージです。関税の例外品目を設けない事で、外国製の安い物品が流入し、日本経済が大打撃を被るからです。

関税に例外品目を設ければ、指定した商品を外国は日本に輸出しにくくなりますから、日本国内にあまり入ってこなくなり、高い日本製品は守られる事になります。海外の製品は安いため、価格志向の消費者にとっては国内のものよりも海外製品の方が良いからです。

そのうちのひとつにはJA(日本農業組合)が盛んに反対運動を行っている農業への影響ももちろん含まれます。しかし被害はそれだけではありません。日本経済が陥っているデフレ(物価の下落)が更に進む恐れがあるのです。

そもそも日本の農業は大規模な集約型ではなく、小規模生産が殆どの形態であるため、どうしても農産物の値段は海外のそれに比べて高い値段がつきます。それに対して海外は大規模な土地に大量の種を植えて収穫を行うため、ひとつ当たりの単価が下がり、値段は安くなります。

そういった製品がこれまで以上に日本市場に出回るとなると、海外の農産物に押されてきた農家は更に窮地に陥る結果になり、農業は破壊的なダメージを受けることになるといいます。

それだけではありません。外国産の安い物品の流入により、現在日本経済が陥っているデフレが更に進行する恐れがあるのです。

ではデフレとは一体何なのでしょうか? デフレとは「デフレーション(deflation)」の略で、物価が下がる事すなわちモノの値段が安くなることです。一見すればこれは良い事のように思われますが、それは大間違いです。

中学校・高校ではデフレになれば、消費者が購買意欲を持ち、再び消費活動を始めると習いますが、それは机上の空論でしかないのです。確かに間違ってはいないのですが、事態経済はとなるとそうも行かない面があります。

では考えてみましょう。物価が下がれば、企業は他社に追い抜かれないようにモノの値段を下げます。するとその分企業の利益は下がるのですが、それを埋め合わせるために従業員を解雇します。

また企業は更なる物価の下落を考え、銀行への借り入れを先送りします。企業は家計と違って、多額のお金を一度に動かしますから、経済の動向を見ながら金融を行う必要があるからです。

そうなると企業は投資を行うことができなくなり、新たな需要は発掘されなくなり、経済全体が冷え込むことになります。このようにしてデフレは経済全体を蝕んでいくのです。

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中野 剛志
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