元マニラ住人の青年のブログ

頭良くないし機転も利かない。でも夢の大きさは誰にも負けない。

「新聞を読まない若者はバカになる」か?

Newspapers B&W (4)

「新聞をあまり読まない若者はバカになっていく。」という類の主張をよく見かけます。これは日本の若者限定なのか、それとも先進国を視野に入れていっているのかわかりませんが、それは必ずしも正しくはないでしょう。

まず、先進国にに限定した場合。20年前のインターネット普及開始時と違って現在はSlateやHuffPost、ProPublicaなどのオンラインベースメディアが発達しており、仮に新聞社・テレビ局が倒産してもかなりの有力な情報源が揃っている。


また、倒産した後でもそこにいた有力な人材はオンラインメディアに雇用され、成長を続けていくことが十分予測できる。「新聞社・テレビ局がつぶれると情報源がなくなる」説はかなり疑わしいものになります。

今紹介したのは英語圏での話ですが、韓国でも市民ジャーナリズムのサイトが発達しています。特にOhMyNewsはその中でも巨塔で、韓国の大統領選の票を動かすほどの影響力を持っています。一時は日本でもサービスをしていましたが、数年前に撤退しています。

次に、日本限定での話です。今挙げたOhMyNewsのように、日本でもJanJanNewsなどの市民ジャーナリズムがありますが、今のところ影響力を持つにはいたっていません。

ここには権威に弱い日本人的性質が現れているのかもしれません。あるいは、署名記事が極めて限られていることから個人としてのジャーナリストが成長しにくいのかもしれません。

しかしながら、3.11以降のマスメディア・マイクロメディア(e.g. Facebook,Twitter)・フリージャーナリストの報道を追っていると、マスメディアの不可欠性は次第に薄れてきていることが見て取れます。

そうはいっても、新聞・テレビなどのマスメディアは今の日本にとっては無くてはならない存在であることは動かしがたい事実です。それは、十分なメディアリテラシーが日本で根付いていないからです。

イギリスは1930年代に大衆文化の発達に伴い啓蒙文学が廃れたことから、「Media Education」として教育が始められました。カナダでは1980年代に衛星テレビ・ケーブルテレビの普及によるアメリカ的価値観の流入からアイデンティティを守るために始められました。

しかし、日本で始まったのは2000年代。実際、カナダ・イギリス以外の国ではまともにメディアリテラシー教育が行われている国はあまりありません。インターネットが発達し情報量が増えていく中でメディアリテラシーはますます重要になるにもかかわらず、です。

このような状況のままインターネットが情報の中心になってしまうと、日本の若者は断片的な事実のみを理解し、総合的な判断能力を持たないまま社会を生きていくことになります。

そもそも新聞・テレビとネットメディアの違いは何でしょうか?それは、情報のまとまり方に違いがあります。新聞の場合、余程連日報道されている事件でもない限り、多くが背景説明を含みます。しかしネットメディアの場合、その多くが中心的事実や主張のみを中核に扱う傾向が見られます。

インターネットがあるのだから背景事実は検索すればいいではないか、ということになりますが、多くの人々は面倒臭がってそこまでやりません。やったとしても、そこで出会うのはまたしても断片的な事実なのです。

また、(日本の場合)多くのネットメディアの記事が匿名である以上、事実関係の確認は困難な状態にあり、正当性を保証することは出来ません。

しかしながら、このような状態がいつまでも続くのは好ましくありません。マスメディアはあくまで「参照」されるべきもので、多くのメディアを使いながら、本当の事実を主体的に探っていくことが情報の受信者には求められます。