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頭良くないし機転も利かない。でも夢の大きさは誰にも負けない。

インドへの原発輸出は正しい判断なのか #原発

Atomic

5月29日、インドのマンモハン・シン首相と安倍首相が原子力協定を取り交わし、インドに向けて原発輸出を行う方針を固めました。原発賛成・反対の両派からは様々な意見が出ていますが、原発の安全性の是非以前に原発メーカーはインドの法律にリスクを抱えています。

実は、インドには原発事故の際、原子炉メーカーにも責任を問える法律が存在する。これは、インドで1984年に起きた史上最悪の産業事故であるボパール化学工場有毒ガス漏出事故の経験から、「汚染者負担の原則」を原子力にも取り入れたものだ。

企業の社会的責任と環境汚染の最悪の事例としても教訓とすべきところがある。

今朝の朝日新聞には、インドで原発を建設すれば原子炉メーカーに事故の責任が及ぶ可能性について、以下の原子炉メーカー幹部のコメントが掲載されている。

どれだけ(賠償を)負わされるか分からない。飛びつくメーカーはない

東芝、日立、三菱重工などの原子炉メーカーが本当にほしいのは、新幹線などその他のインフラ整備を請け負うことなのかもしれない。

もし事故が起きようものなら、その責任を東芝・日立・三菱重工が問われる可能性があるということなのです。日本での福島原発事故では責任を問われたのは東京電力のみで、原子炉の製造元であるGeneral Electric (GE) ・日立・東芝は責任追及をなされていません。

福島原発事故によって信頼性を失ったこれらの企業は国内では原発ビジネスを行うことは難しくなったため、海外に出て行こうというのが野田政権から続く原発を取り巻く環境の流れなわけです。

確かにこの方法は原子炉メーカーにとってはまたとない機会になっているわけですが、現地で責任を負わされるリスクも抱えている以上、これは必ずしも良い方法とは言えなかったでしょう。

しかもこのやり方は「日本の原子炉は安全なのだから事故も起きないし追及もされない」という前提に基づいているのと同義です。日本で起きた過ちを二度繰り返そうとする安倍政権の態度を日本国民はもう一度考えていくべきでしょう。

事故が起きたとしてもそれは日本から遠く離れたインドですが、同じ人間が日本企業によって被害を受けると思うととても痛ましいことですね。


▼第三者機関による福島原発事故の報告がまとめられた良書です。