TIME before 55

頭良くないし機転も利かない。でも夢の大きさは誰にも負けない。

「書店は儲からない」は必ずしも正しくない、らしい

書店の倒産は相次ぐも、伸びているものも

NewsPicksで芳林堂書店自己破産のニュースを見ました。

気になってリンク先に飛んでみると、書店が次々に倒産しているという悲しいニュースと共に、意外なことが書かれていました。

なんと書店は必ずしも規模縮小に向かっているわけではないらしいのです。これは目からウロコでした。

newspicks.com

 

どうやら書店の数自体は減っているものの、総坪数自体は増加傾向にあるというのです。

下のグラフを見ていただければわかるのですが、2004年をピークに書店の数自体は減少しているものの、折れ線グラフで描かれている坪数は右肩上がりになっています。

これが何を意味するかというと、「書店」の「数」は確かに減っているけれども、その分、大型書店の進出も続いており、「本を売る店の総面積」はさほど減っていない、ということになります。
少なくとも「本を売る店の総面積」で見れば、「書店衰退」というのは、実態に即していないイメージであることになります。

 

Amazonなどのeコマースの普及によって次々に書店は規模を縮小しているというのがメディアの中での定説になっていますが、実際には規模自体はそこまで変動していないことが伺えます。

 

ここで個別に書店を見ていくと、その理由を垣間見ることができます。

丸善ジュンク堂丸善CHIホールディングス文教堂ホーウディングスといった書店事業だけを営む企業は売り上げ・利益ともに減少傾向にあるのに対し、TSUTAYAを展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブは書店のみならず多角化を進めたことで96年から2014年にかけて一度も売り上げを落とすことなく伸びているのです。

 

グラフは記事中にあるのでそちらを見ていただきたいのですが、経営の多角化を進めることで書籍の売り上げの減少分を補填している企業が今後は生き残っていくのではないでしょうか。

アメリカでも同様の事例があるようです。このカルチュア・コンビニエンス・クラブと同様に、書店に本の販売場所としてだけではない魅力を持たせることでマンハッタンの本屋街で唯一生き残ったStrand Book Storeが店内にグッズ販売スペースを設けオリジナリティ溢れる店作りをしています。

 

アメリカではオンラインでは手に入らない地域の人々の際に基づく本の品揃えを持ちローカライズ戦略を打ち出すことで、地元住民の需要に応え成功したことも紹介されています。

 各種報道(たとえば、Washington Post、Fortuneなど)を総合すると、次のようなことが「独立系書店の復興(インディーブックストア・リサージェンス)」の要因として指摘されています。

1.紙の本の価値が再認識されてきた

2.Amazonの検索でも拾いきれない、地域の人々の宗教、民族、文化の細かな差異とそれに基づくニーズに、独立系書店が応えるようになった(ハイパーローカル化)。地元出身の作家、地元にちなんだ作品を積極的に並べるなどの試みも功を奏した。地産地消運動(バイ・ローカル運動)もこの動きを後押しした

3.オーサービジットやサイン会だけでなく、講演会、ライブ、創作講座、子供向けの店内キャンプなど、本とは直接関係ないものも含めて、リアル書店でしかできないイベントを頻繁にしかけるようになった(コミュニティセンター化)

4.書店がオリジナルグッズを販売するなどして、地域にブランドロイヤリティを醸成するようになった(ブランド化)

 

まとめのページでも書かれていますが、結局問題なのは書籍の購入の場所がオンラインに移ったことでも電子書籍の需要が増えたことでもなく、本の売り方の問題なのかもしれません。

中小の書店には返本の問題からベストセラーの本が回ってこず売り上げにつながらないようですが、ベストセラーを売らなくても売り上げを確保していくための戦略を生み出す必要性はありそうです。