元マニラ住人の青年のブログ

頭良くないし機転も利かない。でも夢の大きさは誰にも負けない。

Myspace Radioの可能性

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Twitter(@Watalogy)でも何度か触れていますが、最近「Myspace Radio」にハマっています。これはSNSMyspaceの「MUSIC PLAYER」の機能の一つで、曲のジャンルを選択しただけで、以前再生したことのある曲に似た曲を自動的に流していくもの。ただそれだけ、と思うかもしれませんが、これがなかなかハマります。


Myspaceと音楽

もともとMyspaceは、SNSのパイオニア的存在である「Friendster」設立後に登場したでき、音楽レーベルとも連携しながら事業を拡大してきました。その後、Facebookの登場でアクセスを減らしましたが、音楽専門SNS「iLike」の買収により更に音楽機能を強化しました。

その結果、Rihana、Green DayAvril LavigneMy Chemical Romanceなどの大物アーティストの一部の楽曲を全編無料で聴けるようになり、その他のLady Ga Ga、Bon Joviなどの有名アーティストについては30秒間のサビを楽しむことができるようになりました。

それだけでなく、インディーズの楽曲が多く揃っており、新人アーティスト発掘にはもってこいの場と言えます。アーティストとユーザーがWin-Winの関係になれる形ができあがっているのです。さらに、ジャンルもロックから電子音楽まで幅広く揃っています。


Myspace Radioとは?

MUSIC PLAYERで楽曲を再生している時に「Switch to Radio」をクリックするだけで、聴取履歴を元にジャンルの似たアーティストの楽曲がランダムに再生されます。気に入った曲があればすぐにその場で購入もできますし、アーティスト名をクリックしてライブの日程を調べたり、ブログやTwitterで近況をチェックしたり、さらに「eventful」でライブの開催を要請することもできます。


他の音楽サービスとの違い

アメリカでは、Myspaceを上回る勢いで「Pandora」や「Spotify」という、有名アーティストの歌を全編無料で聴けるサイトが大人気です。しかし、日本は著作権法が極端に厳しいために上陸はかなわず、サイトにアクセスしてもその旨のメッセージが表示されるだけです。

音楽専門SNSLast.fm」は30曲を無料で聴けますが、それ以降は有料会員登録する必要があります。インディーズが著作権フリーで提供しているものは無料で聴け、第三者提供のソフトウェアを用いることでダウンロードも可能。
※ただし、英語版Scrobblerをインストールしている場合は聴き放題が可能。しかし、いつまでその裏ワザが通用するかは不透明。

このように、日本では音楽の聴取に制限が多くあり、新たなアーティストの発見が困難ですが、そんな中Myspace Radioは自分の好きな曲を発見しやすくできており、アーティストにより親近感を得られるようにうまく作りこんである構造になっています。まさに『ツイッターノミクス』(文藝春秋,村井章子訳,原題『The Whuffie Factor』Tara Hunt著)で言及されているところの「whuffie(ウッフィー)」をアーティストが集めやすい作りがなされているのです。



確かに、「Jango」もインディーズや有名アーティストの一部を聴ける点では似ていますが、Myspace程情報が豊富ではありませんし、コミュニティ機能が著しく劣っています。

今後のMyspace

実際、Myspaceは生き残りをかけて、かなり思い切った選択もしています。それはFacebook Connectの実装です。これによって、Facebookの会員であるだけでMyspaceへの登録がかなり簡素化され、さらに聴いた音楽を共有することができます。 しかしその反面、Facebookの利点を知りユーザーが逃げてしまう可能性もあるのです。しかしそれでもMyspaceFacebook Connectを組み込んだのはなぜでしょうか?

それは、音楽サービスで決定的な濃度の差があるからです。以前であれば話は違いました。MyspaceFacebookも同じようにユーザーにSNSのサービスを提供し収入を得ていましたが、シンプルさの面においてMyspaceFacebookに負けユーザーを奪われました。しかし、iLikeの買収によってそれまでの音楽コンツが抜群に強化され、コンテンツ面でFacebookに対して圧倒的優位に立つことができたのです。

それ以後、Myspaceは「音楽SNS」として再出発し、従来のような「ユーザー交流SNS」としての側面は次第になくなっていきました。MyspaceFacebookに「ユーザー交流SNS」としての地位を奪われたことをはっきりと認める代わりに、音楽サイトとして優位に立とうと決意をしたのでしょう。

このように、MyspaceMyspace Radioを取り入れたことで、今後も音楽サイトとしての側面をますます強めていくことでしょう。宣伝次第で、日本市場においては多くの「帰省」ユーザーを獲得することでしょう。スマートフォンのアプリで「Myspace Radio」として独立させれば、さらなる可能性も期待できます。



しかし、インターネットの市場に国境はありません。特に、ネット音楽市場での競争が激しさを増すアメリカ市場ではどのように戦っていくのか? PandoraやSpotifyに対してどのような戦術を繰り出していくのか? 今後の市場争いに注目が集まりそうです。